TOEFL を大学の受験資格に課すというのはちょっと無謀じゃないかなあ

自民党は、TOEFL を大学の受験資格に課す方向で検討をしているようです。大学の学部ごとに「TOEFL で○○点以上」といった形で受験資格を決めるわけです。そして、この基準に達しない人は、大学の受験ができなくなるという方向のようです。

大学受験資格にTOEFL 自民教育再生本部、1次報告へ(産経新聞)

個人的にちょっと驚いのが、全ての国公立大学と私立大学を対象にする点です。つまり、ある程度の英語力が無い人は、大学の受験資格すら得られないということのようです。

正直、ちょっと乱暴な感じがします。英語ができないと、大学すらいけないというのですから。英語ってそんなに偉いのでしょうか?

まあ、まだ叩き台の段階でしょう。今後内容も変わっていくのでしょうけどね。推薦入学はどうするのかというような話もありますし。

TOEIC は高校生には難しすぎる

もう一つ問題なのが、受験資格の判定にTOEIC を使うという点です。現在の日本人の高校生の英語力だと、TOEIC は難しすぎるように思えます。一流大学を志望する学生でも、まともに得点することは難しいでしょう。そもそも、大学受験レベルとは、語彙のレベルがぜんぜん違いますからね。

おそらく、大学受験生の知っている単語は、たかだか3,000語程度でしょう。多くても5,000語くらいでしょうか。その程度のレベルでTOEFL というのはいくらなんでも無謀です。受験生のスコアが低すぎて、受験資格をどこで与えていいのか判断することすら難しいと思われます。

受験生の実力と試験のレベルがあっていないのは、初歩的な設定ミスに思えてなりません。

3流の大学はどうしたら良い

さらに問題なのが、3流と呼ばれるような大学です。これらの大学の受験生に、TOEFL なんて受けさせても意味はありません。小学生に大学入試の問題を解かせても、時間の無駄ですよね。失礼な言い方かもしれませんけど、そんなことをしようとしてるようにすら感じます。

ですから、そんなレベルの大学の足きりラインにTOEFL を使って、何の意味があるのでしょうか。このレベルの大学に、TOEFL で足きりラインを設定しろと言っても、途方にくれてしまうでしょう。

どうせなら卒業の基準にしたらどうだろうか?

TOEFL などを学生に課すのなら、大学の卒業基準に使ったいかがでしょうか。卒業するには、TOEFL ○○点以上必要などとするのです。TOEIC の一定以上のスコアを卒業の基準にしている学部は、確か既に存在するはずです。

こちらの方が、使い方としてはまだ理にかなっている気がしますけどね。

何にしても、普通の高校生にTOEFL を受けさせるのは無謀でそう。TOEIC ですら無謀に感じるのに。


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